個別化された体験のコックピットドメインコントローラー

運転をする、仕事をする、くつろぐ、人と交流するなど様々な場面の行き来がシームレスにできるようになるにつれ、車に乗って移動する時間は、インターネット接続なしでは成立しない現代人のライフスタイルが延長された場になっていくことでしょう。今日の自動車には様々な機能やディスプレイなどの表示機が組み込まれ、それらを制御する電子機器も多数搭載されています。こうした数々の装置類を巧みに統合し、ユーザにとって使いやすく、価格も手頃で、実装しやすい形にするのがカーメーカーの方々ですが、これは難しい仕事です。この仕事を助けるのが、フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのコックピット・ドメイン・コントローラ（CDC）です。インフォテインメント、クラスタ・ディスプレイ、ヘッドアップ・ディスプレイ、パッセンジャー・ディスプレイ、プロクシミティ・ディスプレイを含む複数のディスプレイをひとつのシステムで一元的に管理できるようにして、複雑な統合をより簡単に行えるようにします。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのCDCは、拡張性が高くアップグレードも可能です。カーメーカーやモビリティ・プロバイダはCDCを使うことで、ユーザ一人ひとりにカスタマイズされた快適性を提供し、車室内での体験を豊かにし、安全性を向上させることができます。ひとつの電子制御ユニットと直観的なHMIサーフェスで、すべてのコックピットの機能を制御することが可能になります。ユーザビリティに関する広範な研究とテストを経て開発されたフォルシアクラリオン・エレクトロニクスのマルチビュー・グラフィカル・インターフェースQuadviewは、複雑で、煩わしいメニュー構造を排除することで、オプションの切り替えや車載サービスの管理がこれまで以上に簡単にできるようになりました。この技術は、ドライバーの気を散らさないように、ビューのサイズを変更した際にも、優先度の高い表示物を管理しやすくするために、例えば、温度や音量コントロールなどのいつでも操作したい機能等のアイコンをそのまま表示し続けます。

CDCには、SoC（System on Chip）を採用しています。複数のディスプレイを簡単に調和させるだけでなく、無線でソフトウエアやファームウエアのアップグレードを行う機能も搭載しました。また、ハイパーバイザーもCDCに搭載されています。このハイパーバイザーが複数のオペレーティング・システムを管理し、安全機能とインフォテインメント機能をしっかりと分離させます。フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのCDCは、安全機能に必要な自動車安全水準に準拠して、複数のハードウエアやソフトウエアのセキュリティ保護機能を搭載する形に設計されています。フォルシアクラリオン・エレクトロニクスはセキュリティ・バイ・デザインのアプローチの一環として、最先端のサイバーセキュリティ対策を導入し、車内外のネットワーク接続すべてにおいて、乗員の安全とデータセキュリティの確保や、操作の完全性の実現を図っています。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクスは、基本的なスマートフォンのミラーリングに始まり、車両ネットワークを介し、車内前席や後席に設置された複数の高解像度ディスプレイを通して、サービスやアプリをカスタマイズする機能に至る多彩な機能と機能性を備えており、またあらゆる車種に対応する拡張性の高いインフォテインメント・システムを提供しています。将来も使い続けられるように設計されたインフォテインメント・システムの技術は、複数のオペレーティング・システム（AndroidとLinux）をサポートし、前部および後部座席乗員の両方が、すべての機能を使うことができます。コネクテッドな車内体験に必要なあらゆる技術と、組み込み型やクラウドベースの多彩なメディアやゲーム用コンテンツを統合したフォルシアクラリオン・エレクトロニクスのインフォテインメント・システムは、乗員全員に、それぞれの好みに合わせた快適な移動を提供します。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのインフォテインメント・ソリューションには、使いやすさを追求した設計を採用しています。直感的なHMI技術を使用することで、車内にいる人が触感・身振り手振り・声など、好きな方法を使ってエンターテインメントや座席、車室内温度を快適に操作・調節できるようになりました。家から車までの移動における体験をシームレスなものにするために、Alexa、Xiaodu、Alice、Googleなど車載用の音声アシスタントを統合することもできます。

シェアリング・モビリティが広く使われるようになるにつれ、車室内全体のエンターテインメントをより上質なものにするために、新しいアプローチで設計することが増えてきました。その際に重要なのは、ユーザが簡単に接続し操作できるものにすることと、自宅から車に移動してもコンテンツの視聴やゲームが中断されないようにすることです。フォルシアクラリオン・エレクトロニクスの後部座席のエンターテインメント・システムはメインのCDCと接続され、後部座席からも車室内全体のマルチメディア機能を操作できます。これにより、同乗者が一人ずつ好きな方法でマルチメディアを楽しむことも、共有して楽しむことも可能になります。

後部座席の乗員は、システムが持つ基本のエンターテインメントの中から好きなコンテンツを選択したり、自分の携帯デバイスを自動車に接続して自分のコンテンツを楽しんだり、サブスクリプションサービス等の人気の動画、音楽、仕事用アプリ、ゲームアプリをオンデマンドで安全にダウンロードできます。車室内に取り付けられているカメラはビデオ通話機能にも対応します。ディスプレイには周辺道路の様子を映すこともできるほか、ヘッドセットやスマートフォンを接続して後部座席の子どもの様子をモニタすることもできます。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのソリューションは、デュアルAndroid OSを搭載する自動車向けのセットトップ・ボックスです。シートへの高解像度ディスプレイの組み込み、乗員一人ひとりへのプライベート・サウンド・ゾーンの提供、直感的HMIの構築といった、フォルシアグループが積み上げてきた統合のノウハウを活用して、プレミアム・エンターテインメント体験を提供できます。

自動車が人々のデジタルな日常生活を延長した場所になると、多様なアプリや、車両連携サービスを安価に且つ安全に提供する方法が必要となります。

フォルシアとAndroid用アプリストアの最大手であるAptoideは、世界の自動車市場用にAndroidアプリストア用のソリューションを開発・運営するための合弁企業を立ち上げました。手頃な価格帯且つセキュリティが確保された自動車用アプリ各種を、地域ごとの特性に合わせたコンテンツでグローバル展開するこのアプリストアにてOEM各社に提供しています。すべてのアプリは、標準ライセンス契約で管理され、無線ネットワークを介した通信（OTA）でライフサイクル管理ができるようになっています。Aptoideアプリストアでは、ゲーム、ナビゲーション、コンテンツ・ストリーミング、POI（ポイント・オブ・インタレスト）表示、駐車場情報など、様々な目的に対応するAndroid用アプリを100万種類も揃えています。また、セキュリティの確保された決済メカニズムも備え、自動車と乗員のデータのプライバシーを確保しながら、OEM各社のサービス収益化戦略をサポートしています。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのコクピット・システムは、フォルシアグループのシーティング、インテリア技術を統合し、業界最高レベルの安全ソリューションを実現しています。

乗員モニタリング・システムは、運転者の疲労状況や気の散り具合の監視や、子どもの車内閉じ込め防止など、様々な安全上の課題解決をめざしています。エンド・ツー・エンドのハードウエアやソフトウエアにより、ドライバーや車両環境についてのデータを複数のカメラ、センサ、レーダで捕捉して分析し、安全性そして運転体験を向上させます。また、このモニタリング・システムを活用することで、カーメーカーは、高まり続ける安全要求に対応することが可能となるだけでなく、車室内の快適性向上のためのデータも得ることができるようになり、技術に対する投資対効果を最大化できます。

フォルシアクラリオン・エレクトロニクスの様々な技術は、カメラとセンサのフルシステムに、複数の人の同時検出、運転者の識別、注意散漫と居眠りの監視、ジェスチャー分析、感情評価、健康モニタリングなどの様々な機能を搭載しており、それらは組み込みソフトウエアにより構成されています。

複数の市場向けにグローバル・プラットフォームで自動車を開発するためには、3つの異なるハードウエアを設計して世界中のラジオの基準に対応することが必要になります。フォルシアクラリオン・エレクトロニクスのユニバーサル・リモート・チューナは、ソフトウェアベースのオール・イン・ワンのソリューションです。驚くべき音質に加え、業界最高レベルの受信品質を実現します。

軽量なケーブル配線とラジオ・チューニングのソフトウェアを組み合わせた技術は、自動車メーカー各社が、簡単かつ安価に受信可能な世界のラジオ局数を増やし、アップグレードすることを可能にします。高品質のAM/FM、DAB、DAB+、DRM、DRM+、CDR、 ウェブラジオ、HDラジオと先進の処理アルゴリズムを搭載したフォルシアクラリオン・エレクトロニクスのユニバーサル・システムは、早くて正確な選局やシームレスな切り替えを実現します。